[あらすじ]
高校の教室。
そこにいつもいた、五人の友人たち。
――春哉、夏生、秋人、冬馬、
そして少女・四季。
ある日、不意に訪れた別れ。
四季は戻らぬ人となり、
残された四人はそれぞれの胸に、
彼女との記憶を抱えていた。
春の陽だまりの笑顔。
夏の蝉時雨に溶ける声。
秋の夕暮れに寄り添う影。
冬の雪に刻まれた言葉。
四人の少年が回想するそれぞれの「四季」は、決して同じではない。
彼女が欲しかったものはーー。
けれど、彼らの記憶は織り合わさり、
友情と哀惜の果てに、ひとつの物語となる。
季節を抱いた青春群像劇。