まんぷく荘のにぎやかな夕餉 第9話 心と身体を癒す宴
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ご覧いただきありがとうございます( ̄∇ ̄*) 「まんぷく荘のにぎやかな夕餉 第9話 心と身体を癒す宴」 同人誌で展開するシリーズの第9話です。 大家さんが店子さんの家に晩ご飯を食べに来るまんぷく荘。 夏から秋の季節の変わり目、大家さんが風邪を引いてしまう。 主人公と店子さんは大家さんを労わる、ある計画を立てるが? ・文庫サイズ/20ページ 第0話が無料DLできますので、よろしければご覧くださいませ。 https://ee-na.booth.pm/items/3203576
おためし読み
鮮やかな緑色のアイコンでおなじみの、某チャットSNS。最近それにまんぷく荘のグループが作成された。その名も「まんぷく荘」。そのまんまである。 そこに、まんぷく荘の大家である円香(まどか)さんからメッセージが届いたのは、夏から秋に季節が移り変ろうとする、10月初旬のころだった。結麻が既読を付けたのは、お仕事のお昼休憩中である。 8月のお盆ごろから残暑が始まり、本来なら9月に掛けてゆっくりと気温が下がっていくのだろうが、ここ数年の日本は10月になっても「なんでやねん!」と突っ込みたくなるほどの暑さを残している。 さすがに夜になれば涼しさも掠めるが、陽の当たる日中はまだ汗ばんだりするのだ。 さて、円香さんからのメッセージは。 季節の変わり目かしらぁ、風邪引いちゃったのぉ〜(涙の顔文字) 申し訳ないんだけど、治るまでごはん当番のみなさま、レトルトのおかゆをドアの取っ手に掛けてくれないかしらぁ〜(お辞儀の絵文字) メッセージを読んだ樫木結麻(かしわぎゆま)は「ありゃ」を声を上げた。 「円香さん、大丈夫やろか」 結麻は心配になる。円香さんは寂しがりやの気があるので、何日掛かるか分からないが、ひとりで寝込んでいるのは、心にも負担なのでは無いだろうか。 だが「おかゆを玄関先に」ということは、店子に風邪が移るのを心配してくれているのだと思う。無理に押しかけてしまったら、それはそれで円香さんの不安の種になってしまう。 今日は木曜日。二〇一号室の若き会社員である琴平(ことひら)くんが夕食当番だ。きっとお仕事帰りにスーパーかコンビニで購入することだろう。 今夜はそれで良いとして、今、お昼ごはんはあるのだろうか。結麻は返信も兼ねてメッセージを打ち込む。 円香さん、大丈夫ですか? お大事にしてください。 今日のお昼は食べるものありますか? 良かったら結麻がお届けしますよ。 まんぷく荘から結麻が勤める会社は、歩きも含めたら十五分ほどだ。お昼休憩は一時間あるから、充分往復できる。自分は適当におむすびでも食べられれば良い。他の店子からも、円香さんを心配するメッセージが届いている。すると数分後。 みんな、ありがとう〜(涙の顔文字) 結麻ちゃん、ありがとう〜(赤いハート) 冷蔵庫にヨーグルトとゼリーがあるから、それで充分よぉ〜 今夜のおかゆからよろしくねぇ〜(笑顔の顔文字) 風邪のときは、程度にもよるが、食欲が落ちる人がいる。おかゆを頼んできたということは、円香さんはきっとそういう状態なのだ。ならヨーグルトなどはうってつけかも知れない。 わかりました。他に欲しいものがあったら、言うてくださいね。 まずはゆっくり休んでください。お大事に。 結麻がそう送ると、すぐに「ありがとう」のうさぎの可愛らしいスタンプが届く。とりあえずすぐに反応できるほどの気力はある様でほっとした。 続きはぜひ本でご覧くださいませ。よろしくお願いします!( ̄∇ ̄*)