〈過視〉創刊準備号 特集:批評と想像力
- 【紙版】Ships within 7 daysOut of StockShips by Anshin-BOOTH-PackPhysical (direct)500 JPY
- 【ダウンロード版】Digital300 JPY

批評ターム総合誌〈過視〉の創刊準備号。 サブカルチャー批評のタームを特集に据え、その言葉がもつ分析枠組みやジャンル性についていま・ここから検討を加えていきます。 本号の特集は「想像力」。めいめいが重要だと思うコンテンツの核心にある思想や力について取り上げました。 文学フリマ大阪で初配布。 A4版/表紙・本文白黒/74ページ
「創刊準備号」 内容紹介
【インタビュー】 ・ちろきしん「長いゼロ年代の想像力──失われたサブカルチャーの想像力と怒りについて」 京都大学から発足した「ゼロ年代研究会」は、「長いゼロ年代(一九九五年~二〇一一年)」を掲げ、特定のサブカルチャーについての語りを行っているサークルだ。それはゼロ年代に続く2010年代文化に対するある種の屈折とも響き合い、いくつもの、重要な言説を提出しつづけている。本誌ではそんな研究会をホリィ・セン氏とともに立ち上げた、ちろきしん氏にお話を伺った。 【論考】 ・anakama「でんぢゃらすリーマンの成熟と喪失」 コロコロコミックからコロコロアニキへ、でんぢゃらすじーさんからでんぢゃらすリーマンへ、子どもから大人へ……これまで積極的に語られることのなかったメディアとコンテンツの、物悲しいユーモアにも似た想像力についての批評文。 ・毒劇法「代表=表象《レプリゼンテーション》、ファスト地元《フッド》」 多重化された言葉遊び(ワードプレイ)、人文学とHIP HOPのハイブリッド、そして「ファスト」でありながらすべての始点・起源でしかありえないものとしての地元(フッド)。それは言葉の中に入り込み、言葉において言葉を解体することを、そしてそのプロセスが、否応なくわれわれの足場、すなわちファストなものとしての地元=風土=フード(に代表される記号)に接続することを可能にする。そうしたHIP HOPと「地元」をめぐる批評文。 ・城輪アズサ「ジャンプ・参照・自己否定性──サブカルチャー文学としての『呪術廻戦』がもつ可能性」 『呪術廻戦』の可能性はどこにあるのか。それは「参照」と、その上に構築された自意識のうちにある、というのが本稿の立場だ。そしてそれは、『呪術』を可能にしているアーキテクチャの条件でもある。ひるがえって、「少年漫画」の、「少年ジャンプ」の想像力の核心は、コンテンツというよりは、むしろそれを可能にしているアーキテクチャの側にあるのではないか。そしてそのような視点の移動が、ひるがえって内在的な作品評を、より豊かなものにするのではないか。「ジャンプ漫画」におけるコンテンツとアーキテクチャをめぐる批評文。