君の物語。
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読み終えて世界の中心が自分にあると知ってください。 この物語には、 始まりも、終わりも、ありません。 あるのは、ひとつの「痕跡」だけ。 それは、名前も、姿も、記憶も、 この世界からきれいさっぱり消された、 ひとりの小さな天使のもの。 天使の名前は、もう誰も思い出せません。 天使がいたことも、誰も知りません。 けれど、この本の中には、たしかに―― 何かが「いた」ような気がするのです。 たとえば、風の向こうに。 たとえば、黒い雨の、そのすき間に。 もしかするとあなたは、 この物語の最後の読者かもしれません。 そしてこの世界で、 その天使を「知っていた」たった一人かもしれません。 ただ消え去るものは何一つなく。 そしてただ消えたとされてもその消えた小さな光が世界をまわしてるのかもしれません。 読み終えて世界の中心が自分にあると知ってください。