猫についての話2
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異種作家7+1名が描く、最後まで猫たっぷりのSF猫アンソロジー。 以下、作者名とタイトル、および作品のリード文を記載 実石沙枝子 化け猫ミミコは七代祟る 七宝町に暮らすミミコは、二百余年を生きる化け猫だ。なお。性格はひん曲がっている。彼女の祟り家業最後の標的は、小学生の奈央。「お前の子孫を絶対に不幸にしてやる」と化け猫は、全ての元凶のサイコパス幽霊・徳治郎に、復讐の気込みを今日も語る。 カスガ マクスウェルと呼ばれた猫 マクスウェルは世にも珍しいエントロピー減少能力を持つ猫だった。通俗的な言葉がお好みなら、〝時間を巻き戻せる猫〟と呼んでも構わない。しかしこの稀有な能力は、皮肉なほど実用に足らなかった――。 ハヤカワSFコンテスト大賞受賞者が描く、理想の”過去”を求める猫の時間の旅。 人間六度 マーシーと猫 同僚のマーシーがある日猫を飼うと言い出した。最初は心配だったさ、だってあたしたちは介護肢《ケアボット》。そもそも売ってくれるのか? でも事実猫は来た。あたしたちは可愛がった。問題はその後に起こった。 おいマーシー落ち着け、なんだって? 猫が、消えた……? 蝉川夏哉 猫よ!猫よ! 〈シングル・アイ〉ジョーはE&W M77を抱え、怯えていた。猫だ。猫が来た。 その二週間前のこと。ベラヤ4B唯一のダイナーに激震が走る。惑星規模の地上げだった。少女・咲Laは抗議に立ち上がるが、ジョーは聞く耳を持たない。そんな彼女の隣で、猫のチェーホフの呑気に鳴く。 青島もうじき 契約 そのとき、あにゃたははじめて盗みゃれるということを知った(中略)わたしはあにゃた無しでも生きられるが、あにゃたとにゃらばもっと幸福に生きられる(中略)わたしたちは増える(中略)けれど、それはいつだって、すこしだけ寂しい。 ――青島もうじき、覚醒。 林譲治 猫の楽園と寝ているママ ラグドールの小太郎はガラス越しに、自分のママになる人を見た。小太郎は連れ出された。そしてもっと大きな箱で暮らした。満ち足りた日々だった。でもある日ママは血だらけになって戻ってきた。「噛まれた」と言って――。 そうして小太郎の、長い旅が始まった。 溝渕久美子 マレーの猫 一八九四年九月、パリ・ブローニュの森。エティエンヌ=ジュール・マレーは連続写真の実験に挑んでいた。被写体に選ばれたのは愛猫ティグル。しかし実験の翌日、助手のクロードが二匹目のティグルを発見してしまう。 温かでかつコミカルな筆致で描かれる、マジックリアリズム的奇譚。 無為憂 源氏名はミケ 今回の彗星枠。前回登場の瀬川雨読が水準を上げすぎてしまったため、幾たびもの改稿に晒される羽目になった苦労人。ガガガとかでデビューしたいらしい。頑張ってほしい。 ―― 愛玩奴隷《ペット》として働く嬢のみつるは、ある日生身の猫と出会う。それはペット飼育が免許化した現代において、無許可で触れてはならない危険物だった。


