短篇集 宝石匣
Physical (worldwide shipping)
- Shipping Date (Approx): 2025-11-29Ships within 7 daysShips by Anshin-BOOTH-PackPhysical (direct)1,200 JPY
Physical (ship to Japan)
- Shipping Date (Approx): 2025-11-29Ships within 7 daysShips by Anshin-BOOTH-PackPhysical (direct)1,200 JPY









2025年11月23日(日)開催文学フリマ東京41にて頒布した新刊です。 『短篇集 宝石匣』 宝石を巡る五つの物語を収めた珠玉の短編集。 カバーあり文庫/P152/¥1000(※会場頒布価格) あらすじ ✳︎『少女はサファイアの涙を流す』 第230回集英社オレンジ文庫短編小説新人賞最終候補作。 宝石の涙を流す少女ミリアムは両親に売られた。 見せ物になるか、死ぬかーー。 生きていることは辛い。ここで死んでしまったっていい。でももし叶うなら。死ぬ前に一目、海を見たい。 その一心で命からがら逃げ出した山岳で、羊飼いの青年リュカと出会う。 穏やかな日々を送る二人。その日々も終わりを告げてしまう。 街へ降りることを選んだ彼女は、穏やかに暮らしていた。悲しみの青い宝石を隠しながらーー。 穏やかな日常に潜む凄絶な過去と、今でも鮮やかに浮かぶ宝石のように眩い日々。 ✳︎『エメラルドが落とせない』 「あれがないのよ。エメラルド婚の時にお父さんが買ったエメラルドの指輪。銀婚式とか金婚式とかの類で、五十年だかそこらだったか……。とにかく結婚何十年かの記念で買った指輪よ」 サッと血の気が引き、背中に冷や汗が流れた。まさか、あれがそんな謂れのあるものだとは……。 エメラルドの指輪、それは文子(ふみこ)がネットオークションに出品し、先日発送を終えたばかりのものだった。 まずい。バレないうちに何とかしないと。果たして文子はネットオークションに出品してしまった義母の指輪を取り戻せるのか!? ✳︎『ルビーは雪の下に眠る』 ーーそれは、気紛れな悪戯。 取り替えられた人間の子と妖精の子。 〈取り替え子〉の娘たちの、人でも妖精でもない孤独を分かち合えるのはお互いだけ。 魂を持たない妖精の子は、人の愛によって魂を獲得することはできるのか。 ーーこれは、もう誰も語らない二人の物語。 ✳︎『貴方が帰ってくる頃、私は物言わぬ紫水晶に変わってしまっているかしら。』 ある日の昼下がり、左腕の瘡蓋を剥がしていると、ピキ、と音を立てて紫水晶が生えてきた。 手に持ちきれないほどの紫水晶を持って思案に暮れていると、侵食は止まった。どうやら取り除こうとしなければ侵食は収まるようだった。 完璧であることを求め、不要な物を削ぎ落とし続けた女の末路とは。 ✳︎『ダイヤモンドの骨』 「私が死んだらダイヤモンドにしてほしいの」 病床にあったクリスチャンの妻はそう言った。 信じたい/信じられないーー妻との再会を望みながら、煩悶し続ける男。 信仰の外にある永遠の形。愛の物質化。 神の不在、孤独と沈黙の中、微かに瞬く光を、人は信仰と呼ぶ。









