間を探して
- 5,000 JPY
-あわいをさがして刊行に寄せて-(まえがき) 夢を見た。死後の復活が常識の世界の夢。起きたこの世界では当たり前のようにそんなことはなく。ふと思う。この世界も。小規模にいうなら個人も、外から見れば何処か非常識だ。それこそ当たり前に、他人の世界なぞ知りえないし経験もできない。だから自分の世界を信じるし かない。世界が異常だとしても。けれど、結局隣り合って生きていくのなら、その世界たちの間を探らねばならないのだろう。きっと。 夢をみるように、ページをめくってほしい。開いたページが悪夢なら飛ばしたってかまわないし、文字が読みづらいなら読まなくてもいい。居心地が悪ければ本を閉じて夢から醒めればいい。偶に、あわい夢が見たくなったら開いてくれれば私はかまわない。それじゃあ朝には帰る短い夢をみよう。