「誰かから誰かへ送られる贈り物」 5人の作家による「贈り物」「アクセサリー」をテーマにした1話完結型アンソロジーボイスドラマ。 Track1. 光を湛えて落ちる粒 Track2.星に心を奪われて Track3.小さな世界ときらめく光 Track4.bliss breath Track5.幼馴染ハレーション * * * この手から生み出されたものが、 誰かのきっかけになっているとしたならば、 こんなに嬉しいことはないだろう。 作り始めたときのことはもう覚えていない。 はじまりのきっかけすら。 気づけば、長いこと、作り続けているような気もする。 祖母から母へ、母から私へ。 受け継がれてきたものが、形をかえて私の中に流れている。 たとえば初めてのプレゼントだったり、 たとえば恋人への贈り物だったりするらしい。 手元から旅立ったものが、 どんな風になっているかなんてあまりに知る機会がない。 たまに持ち込まれる修理の依頼で、知ったり、とか。 誰かとつながることは簡単なようでいて、難しい。 大人になればなるほど、こんにちは、だけで終わってしまうから。 つながるために、つなげるために、あるいは、私であるために。 万華鏡のように、色をかえ形をかえ、 それでも、だれかのためであるために。 私の手から生まれた、小さな贈り物で君が幸せになれるのなら こんなにうれしいことはないのだ。 ――「ある日のMの日記」 * * * 「 gift -きみへ、あるいはわたしへ- 」 http://rit.cocotte.jp/gift/ * * * M3-2015秋　初頒布作品