――僕が目覚めたとき、世界はもう焼き尽くされたあとだった。
『世界焼尽』によって一面が灰と化した大地の上を歩く『僕』。
その記憶の中には、鳥や魚、海や食べ物や、かつてあった旧世界のさまざまな記録が残されている。
しかし、どんな人も物も動物も、もうこの世界には残されていない。
灰の上を歩く『僕』と、かつて世界を焼き尽くし、今はもう動くことのない、『こころない獣』の巨大な亡骸を除いて――。
――僕は死ぬことがない。
世界が滅びたあとを生き続ける、不死の人の物語。
ユング的錬金術ポストアポカリプスSF小説。
122ページ/文庫版
COMITIA 130で頒布したものの、PDF版(電子書籍版)です。