短編小説集『南を向いて左側』※電子版
- 400 JPY
全6篇+αから成る148ページの短編集です
1.はじめに
挨拶に代えて、簡単な散文をどうぞ。小説の人称視点について、稚拙ながら試験を述べております。
2.悪夢食らう夢
――学校から帰るとマレーバクがいた 断定的に言えるほど間違いのない事実。前触れも予兆もなくやって来たのは、夢を食べる動物、獏。 「明日には帰るから」 穏やかに言う彼が食べていたものは……
3.一〇歳だった僕らへ
「学校はいってみようぜ、きょうの夜にさ!」 小学生の僕らが大冒険した、忘れられないあの夜。子どもの頃の尊い思い出を、忘れたくないと思う。 皆さんの思い出に訴えかける、爽快な青春活劇です。
4.ジャイアントキリング
失恋から始まる失望の物語。 ある晩まくらもとで声がして、見るとそこには…… 「あなた方の言葉で、私めは小人です」 姿を現した彼の要求は、巨人を倒すことだった。 「どうして僕なんだ?」 「あなたが強いからです」 卑屈な男の心に勇気を灯す、挑戦と再生の物語。
5.あおレンガ
ひたむきな青年の眼差しが、あなたの孤独に共鳴する。 写真家を志す「青野」と、彼の女友達「佐々木葵」。不器用な彼と穏やかな彼女は、切っても切れない腐れ縁。あるいは……。 でも、シャッターを切るタイミングは、これまで一度も会うことはなかった。 ――大正浪漫的なレンガ造りの駅舎が、どうして都会的な現代の風景に馴染んでいるのだろう。疑問を超えて恐怖を感じる。
6.罪深き英雄
――世論なんかクソくらえ ――メディアなんかクソくらえ ――大衆なんかクソくらえ いまの社会おかしいと思いませんか? そう思うなら読んでほしい。 思わないなら読まないで結構。 現代社会に疑問を投げかける一作です。
7.サッカーはもうやらない
――どうしてサッカーを辞めないのか? 「俺」は自分の気持ちに答えを出せないまま、意味も分からずサッカーを続けていた。 中学時代の、思い出したくもない苦しい記憶。高校でリベンジを果たそうにも、入部したのは部員ゼロのサッカー部!?