【呪/夏油夢本】彼岸は遠く【12/19頒布予定】
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『彼岸は遠く』 夏油傑離反後if夢小説再録 A6サイズ 本文50ページ 14744字 本文一段組 全年齢 装丁デザイン・筆者:ノジ サンプル【https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16523309】 【収録内容】 ・個人サイトで掲載していた夏油傑離反後ifを再録 ・夢主デフォルトネームに「雪」を使用しています。 【あらすじ】 雨の季節が過ぎ去って、肌を焼く日差しに悩む時期がやってくる。蝉の声に呆れてため息を吐きたくなる時期がやってくる。夏だね、と誰にという訳でもなくぼやいた私の声に彼は小さく頷くと、そうだね、と短い言葉で肯定を示した。夏が憂鬱なのは暑いからという根本的な理由もあるけれど、術師としては八月の中旬や暮れにかけての信じられないくらい忙しい期間のせいでもある。お盆や夏休みの終わりには色々な人の色々な想いが溜まり、溢れやすい。 「……ちょっと、嫌になるね」 「……そうだね」 一瞬の沈黙。そよ風程度の風圧が私と彼の前髪を揺らす。ふ、と立ち上がった夏油くんは上から私を見下ろして掌を差し出した。そして、悪戯っぽく口角を上げて笑うと、爽やかな声色で言った。 「アイス、買いに行こう」 そしてふ、と目を覚ます。少し心配そうに私を見る彼はあの頃とは違い、重そうな袈裟を纏っていた。今日の彼はこの手で何人の命を消し去ったのだろうか、それとも彼の手すら汚されていないのだろうか。考えても分からない。ただ私はここで変わらずに座っている。こっくりと闇を飲み込んだ空には月を隠すように厚い雲が浮かんだ。夜明けは、遠い。 【販売概要】 12/12に東京ビッグサイト Dozen Rose Fes.2021内 「呪転じて恋となすDR2021」にて頒布したものです。分納分を通販します。 【2021/12/19 21:00 頒布予定】