珍味ミシュランVol9 東京宗教飯 -在日少数民族の食生活とそのタブーについて-
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在日マイノリティ集団の食生活には制約が多い。お互いを知る必要がある。 上野・御徒町には、ジャイナ教徒のコミュニティーが存在するが、彼らは、徹底的した不殺生(アヒンサー)の教義の元に、動物の肉はもちろん、植物の根っこすら食べる事をしない。なぜなら、根菜、例えば、玉葱や大蒜などを食べてしまう事は、その植物を殺す事になるからだ。その為、ジャイナ教徒の食事は、再生可能な、種や葉、及び、ミルクなどの乳製品に限られる。もちろん、肉体的には栄養素が偏り、不十分な状況となるので、一般的にジャイナ教徒は体が弱い。 ※余談だが、外資系IT企業では、ジャイナ教徒はデスマーチ(過酷なプロジェクト)に不向きだというのが定説となっている。 これは、ジャイナ教徒が、物理的・肉体的な健康よりも、教義に基づいた精神的な健康を求めているからだ。また、日本においては、ジャイナ教徒が安心して食事できるレストランは御徒町に一軒しかなく、ベジタリアン向けのインド料理屋では、間違いなく大蒜と玉葱を使用しているため、厳密なジャイナ教徒は日本において、外食をする事は不可能となっている。 上記は、東京在住のジャイナ教徒の例だが、本書では、東京在住のシーク教徒やサイババの信徒など、様々な民族、宗教の小集団・コミュニティーを取材し、彼らの食生活・ライフスタイルについて記述したものであり、相互理解を深める事を目的としている。 また、本書は、彼らの食生活や文化を体験できるイベントのカタログでもあり、多民族共生社会に向けて、ぜひ一度、マイノリティ集団の食文化を経験し、理解していただきたい。
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