子供の頃、願った事は無いだろうか?空を飛んでみたいなとか、家の大きさのお菓子を食べてみたいとか、お花とお話ししてみたいとか…… 　あるいは、人形が動いて欲しいとか。 　うだるような暑さの夏が過ぎ、木の葉が赤く染まり始めた頃、その奇跡はとある家で起こった。 　森の奥深くに居を構えていた人形師は、精巧な作りの少女の人形をリビングのソファーに座らせて話しかける。 　突然、その人形はパチリと目を覚ました。美しいまつ毛が持ち上がり、比喩では無いガラス玉の目が光を反射する。球体関節が動き、少女の人形は立ち上がった。 『おはようございます。お父様。』 　人形と人形師の奇妙な共同生活が始まる。 人形少女　×　壮年の人形師　×　秘匿２PL