──ありふれた恋よりこころ奪われしひとつうたの譜過ぎしかたみに 古今東西の楽譜が貼り混ぜられた一隻の屏風。 それぞれの楽譜に書き留められた歌曲旋律は、来しかたの想いをいかにうたうのか。 短歌・俳句・五行歌・詩・小説でとりどりに描かれる、あわくはるかな景色。 【集中内訳】 ○短歌十首 ○俳句十四句 ○五行歌六作 ○詩四作 ○短編小説二作 「寮歌の記憶」 縁側から転げ落ちた毬を追いかけ、庭に出た正十郎。その耳に届く、これまで聞いたことがない歌とは……? 「ひとつ歌」 やわらかい光に包まれた居間から聞こえてきた、妻、マチルダの歌声。はじめて聞くその歌にディルクは…… 無題掌編小説一作 屏風に貼り混ぜられた楽譜が織り成す歌曲旋律の景色をそれぞれ詩歌文で綴る、一福千遥のひとりアンソロジーです。 それぞれの詩歌から物語を、作中の小説から楽譜を思い描いていただけましたら幸いです。 文庫版/本文38ページ/350円
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