或る男の話。 社畜の男の家に悪友がやってきた。悪友とともに、映画を見ていたら テレビ画面から水がざぶざぶ溢れて部屋を水槽のようにしてしまう。 男が溺れそうになる寸でのところで、悪友の「飛べ！」という声とともに、 男はテレビに吸い込まれるように自室ではない別の場所へと飛ぶことになる。 斯くして社畜の男が家に帰るまでの道のりを模索する。 川を下り、山を登り、怪しい繁華街で酒を飲み、砂漠を超えて、空の上まで。 かなり不思議なお話。