マエノスベテ
- 550 JPY
珍しい体質のぼくは、体質に関するレポートを書きながら細々と暮らしていますが、社会勢力から貴重な素材として異様に狙われています。 存在自体が作家の好奇の目に晒され、作品として。特に、作家の櫻さん。 さまざまな名前で作家として活躍している櫻さんですが、 本当は反社会的な勢力の人で、なにかと事件を起こして町を牛耳っています。 そして、同時にネタ帳の代わりにいつもぼくの生活に張り付き、事細かにネタにして作品を書き上げているのです。櫻さんには、ぼくにそれほど執着しなくてはならない恨みがありました。 昔、僕が殺した某宗教団体の教祖──彼女の父親のことで。 ◆探偵の真似事をするクラスメイト・男の娘(?)のエレイと、 頭に耳がある特殊な体質を持ち、作家を嫌っている瑞の冒険とちょっとミステリーな短編。タップノベル版の元になったノベル版です。 https://tapnovel.com/stories/23037 ■マエノスベテ 『好きな人』の為にいつまでも独身を貫いている瑞にいつもお見合いを勧めてくるお節介おばさん。 その日も家に尋ねてきた彼女?だが、いつもより元気がない。どうやら通っているフラワーアレンジメント教室のウシ?先生が、何かの理由で怒りだしたせいで急にお開きになったらしい。 ウシ先生の機嫌が直らないともう会が開けないかもしれない。 なぜウシ先生が急に怒り出したのかを究明すべく会場となった家を訪ねると、そこの娘がマエノスベテという男の話を始める。
人物紹介
瑞 語り部。 対物性愛者で人間嫌いだが、エレイとは大親友。代々続く特異な体質を持っており、それを生かしてレポートを描き続ける日々を送るが、面白がった作家からネタにされ、メディアミックスされてから生活が一変した。 作家と、背後の暴力団に目を付けられている。 エレイ 訳があって髪を伸ばして居る男性。 冷静沈着で創作が趣味。探偵の真似事もしている。瑞とは学生のときからの大親友で、お互いのよき理解者。