卒業制作『生まれ落ちた人たちの生活史短歌』 A5　52ページ 　これは大天才でも有名人でもない『普通』の人の人生 を聞き取った生活史です。そもそも生活史とは、社会学 や人類文化学の中で扱われるものであり、インタビュー や調査を経て、社会を知るものとされています。 鬱持ちの芸大生。 統合失調症を持つ引きこもり。 インフルエンザ脳症を患った大学生。 ADHDの編集者。 今回は、少しずつ生きづらさを感じながらそれでも 毎日を生きている四人に聞き取りを行い、一人一人にな ったつもりでその人の人生の中にある言葉で短歌を作り ました。 病気や苦しみをどう乗り越えたか、乗り越えるんじゃ なくどう共存したか、人生の最後である死をどう考えて いるかを知ることでその人の人となりと社会との関わり を知ることができます。 日常生活ですれ違っているかもしれない、買い物をし た時の店員かもしれない、そんな人たちの人生を知るこ とで、社会の不寛容を知ることが出来るのではないでし ょうか。わたしたちが生まれ落ちた世界は美しいのだろ うか、楽しむすべはあるのだろうか、苦しいけれど生き てきたんだ、そういうことに思いを馳せていただけたら 幸いです。 コピー本『他称「コロナ世代」』 A5　21ページ　57首 　2020年4月、コロナ禍とともに入学した大学生としての苦悩と理不尽な日々、希望のあり方、就活などを短歌にしました。 ちぎったり、落書きしたり、 オンライン授業を受けながらムシャクシャした気持ちをぶつけたノートのようになっています。