富田睦子第一歌集『さやの響き』
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・2013年12月15日発行・本阿弥書店・170ページ ・定価2500円(税別) ・第15回現代短歌新人賞受賞 ・帯文 島田修三 〈ゆくりなくかげりし陽のまた照りだしてわが大潮を彷徨う君は〉 〈霧雨が雫となりて落ちたるを郷愁とよぶ 春のおわりに〉 〈羊水は甘いのだろうか茶葉に湯を注ぎたるとき湯気はふくらみ〉 〈心臓を吸いだすごとく乳を飲むみどり子はつか朱(あけ)に染まりて〉 〈永遠に笑顔であらねば後ろ指さされる気がする子を抱き歩けば〉 〈おさなごの服のビーズのほろほろとほどけて散りぬ銀河みたいだ〉 〈本棚のひらがな拾いおさなごが呟いている「なずなよなずな」 〈ピアニカのような声の子雨の日を架空の妹たちと遊べり〉 〈きぬさやのさやの響きを愉しみて湯よりあげれば湯気立つわが子〉