「8歳から始めるクトゥルフ神話」をテーマにした小説。 「男の子とお兄さん」をレギュレーションとして３名の方にもご寄稿いただき、計4本を収録しています。 ■清らかな邪神/ミラクルモリワキ 近隣の住人に忌避される危険な海に惹かれてしまう少年。仲良しのお兄さんが自分から離れていくことを感じた少年は、その海に願い事をかけてしまう。 ■ルルイエ団地/オカワダアキナ 真面目で善良ではあるけれど、いろいろなことがうまくいかない男。寂れた団地で暮らし始めた彼は、ある朝突然、呪いのように髪が伸びてしまったことをきっかけに、隣に住む少年と知り合う。牧師の息子である少年は男のために祈り、男はそんな少年のために悪魔になろうと決める。 ■優しいもの/gina 体格や顔つきが女の子のようで、同級生にからかわれている少年。学校へ行けなくなってしまった彼を、両親は不登校児向けのサマーキャンプに送り出す。海辺の美しい景色の中、優しく理解を示してくれるお兄さんに引率されて少年は心を開いていくのだが、その平穏を邪魔する存在に少しずつ心が乱されていき……。 ■ある深淵/烏目 秘密基地を作ろうと廃アパートに忍び込んだ少年は、不気味な影に遭遇する。落ち着いてみればそれは一人の男に見えたが、言動は怪しく不確かだ。けれど少年は様々な違和感を自分の知識に当てはめて納得し、「少し変わった大人」として男と仲良くなろうとしていく。 直接的なクトゥルフ系創作というよりも、「少年が遭遇する初めての不思議」という側面が強いため、クトゥルフ好きの方には物足りないかもしれません。 男の子とお兄さんが好きな人向けです。 B6サイズ・トレペカバー付き 本文116ページ・上下二段組 表紙イラスト・題字…しま様 コミティア148で落としたので通販で頒布開始しました。