コンセプトストーリー

　マルコ隊長を思うあまり、パイナップルモチーフのものを買い集めるようになってしまった。フルーツとしてのパイナップルを好む程度ならまだよかったものの、逗留先でパイナップル柄のものを見つけてしまうとついお財布の紐が緩んでしまうのだ。それまではハンカチやポーチといった布小物で満足していたのに、とうとう身につけるアクセサリーまで……。でも、ちっちゃい耳飾りだから誰も気づかないだろう。気づいたとて、わたしがマルコ隊長に恋をしていることまでわかるはずがない。そんな風にたかをくくって、毎朝新しい耳飾りをつけてはご機嫌な一日を始めていたのだけれど……。 「おまえさん、パイナップル好きなのかよい」 なんと、マルコ隊長から声をかけられてしまった！朝食のトレーを取り落しそうになり、すんでのところで我に返る。 「なっなっなんっ……なんでそれを……！」 「見てりゃわかる。デザートにパイナップルが出た日にゃ、おれも嬉しいからよい」 わたしのことをパイナップル好き仲間と認定したらしい。ふだんは厳しい隊長なのに、パイナップルの話になるとそんな可愛い笑顔になるなんて。 「次の島がパイナップルの名産地でな、テーマパークみたいに楽しめる農場があるんだ。よかったら一緒にどうだ？」 話しかけられたばかりか、デートにまで誘ってもらえるなんて。首がもげるほど頷くわたしの耳元で、新しい耳飾りもぶんぶん揺れるのだった。