A5・158ページ 「少女画報」昭和9年連載・昭和10年単行本発行。 「ミス・マミコ」のペンネームで書かれた由利聖子の初単行本。 「小公女」とありますが、物語の枠組みは「小公子」です。 大金持ちのお祖父様のもとに引き取られたサァ坊／利根サツキは、一番大事な育ての親・母親の兄である「パパのおじさん」とは引き離されてしまいます。 ですが彼女はパパのおじさんの教え通り、「どんなことが起ってもビクビクしないで、明るく、朗かに、テキパキと、愉快に！」をモットーに女学校生活を送っていきます。 執事の娘で親友のチィ坊／勅使河原千萬子や、ねえやの弟のジン助くん、それに憧れの先輩カリンさんや、クラスメートでちょっと変わっているけど楽しい「マメ狸」、家庭教師の「アポンくん」などとの日々が繰り広げられていきます。 昭和初期の東京の私立女学校の自由でのびのびとした校風と、元気な女学生の姿を味わいたい方に。 この作品は昭和10年発行の新泉社刊「モダン小公女」（大阪府立図書館蔵）を翻刻しております。