マルコム・セージ探偵
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「アガサ・クリスティ愛誦探偵小説集3」をお届けする。 このシリーズ名を冠するのは、クリスティの『おしどり探偵』または『二人で探偵を』として邦訳がある『Partners in Crime』 (一九二九)にちなんでいるからだ。この連作短編集はさまざまな名探偵のパロディであり、取り上げられている のはコナン・ドイルのホームズ、フリーマンのソーンダイク博士、チェスタートンのブラウン神父、エドガー・ウォーレ ス、オルツィの隅の老人、メースンのアノー探偵、クロフツのフレンチ警部、ベイリーのフォーチュン、そしてクリスティ自身のポアロがパロディ化されている。しかしそれ以外にも我が国にまだ紹介されていない名探偵は複数いる。これらの未訳作品を紹介してはどうかという示唆を戸川安宣さんからいただいたので、このシリーズを始めた。 本書は、ハーバート・ジェンキンズ(Herbert Jenkins)のM a l c o m S a g e , D e t e c t i v e (1921 Herbert Jenkins) の全訳である。舞台は第一次世界大戦直後のロンドンで、戦時中に活躍したZ機関という諜報部を退職したマルコム・セージが、上司や恩を感じているディーン準男爵の後援を得て私立探偵事務所を開くところから、はじまる。 著者のハーバート・ジェンキンズ(一八七六~一九二三)は、作家であると同時にハーバート・ジェンキンズ社という出版社を経営していた。この会社はイギリスを代表するユーモア作家、P・G・ウッドハウス(一八八一~一九七五)の作品を出版していた。この物語の冒頭で、ディーン準男爵夫妻の軽妙なやりとりは、まさにウッドハウス作品に登場する上流階級の若者達を彷彿とさせる。
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