【ギフテッド】進撃の巨人
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進撃の巨人 リヴァイ×エレン A5オフ 小説 152P WEB再録 書下ろし 24P 描下しカラー口絵 ――――――――――――――――――――― 現代(転生)パロ リヴァイ(博士/教師/19才)×エレン(生徒/17才)な話 やさしい世界の作り方のWパロのようなかんじ ――――――――――――――――――――― ある日、エレンの通う学校にリヴァイという名の教師がやってきた。 彼はエレンとたいして変わらない年で、これまでアメリカの大学で研究をしていたという。 とても神経質で粗野で乱暴で、才能を持つ人間だった。 ギフテッド――神から与えられし才能をもつもの。 エレンははじめて自分と同類の人間に出会った。 その才能を持つが故に、人間の感情というものがよくわからない二人だったが、次第に手探りで不器用に互いを求め出す――。
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00:: 殺戮の光景 この世界に神などいない。 この世界に融和などない。 この世界に、終わりなど無い――。 瓦礫混じりの熱風が身体に吹きつけてきて、思わず身体を小さくする。肌のあちこちに、砂礫が当たりちりちりと痛みが走る。 渦巻く細かい砂が眼に入らないようにと、そっと眼を開けてみると、――そこには、首が痛くなる程に高い、巨大な灰色の壁に囲まれた街があった。壁は街をぐるりと囲んでいて、何かから街と人を守っているのか、それとも人を閉じ込めているのか、どちらとも判じ難かった。 ドオン――、という音があちこちから聞こえ、建物が屋根ごと飛んできたり、ぶつかった建物がそこから崩れ落ちたり、まるで映画のワンシーンのような出来事が眼前で起きている。 遠く風に乗るように、怒声と泣き声と叫び声と罵声と。あらゆる人々の本能の声が、耳から脳に響いて痛い。 ここからでは、何もわからない。 小高い丘のような場所から、街へと降りようとしたところで、異様なものに気がついて、足が止まった。 それはとても大きくて、数階建ての建物よりも、背が高かった。 まるで人間のような、歪な形をしていた。 全裸で、動物のように唸り声をあげていた。 そしてそれは、人間を玩具のように手で掴み、口の中へと放り込んだ。その口からは、足がはみ出して暴れている。 「ひ…っ」 思わず悲鳴を上げるが、それは喉に張り付くだけで音にはならなかった。 その「何か」は建物を破壊し、人間を捕まえては口の中に放り込むということを繰り返していた。 それは、殺戮と恐怖と絶望を体現していた。 ――何なのだ、この光景は。 身体が震えだす。足の裏に感じる瓦礫の痛みと、風の熱さと、阿鼻叫喚の様。 見ているだけで悲鳴を上げたくなり、眼を背けたくなるのに、この身体を動かすことが出来なかった。 強い、怒り。 衝動。 今、この身体の感じているもの。 一人の青年の顔が頭に思い浮かんだ。 眼光の鋭い、眼つきの悪い、顰め面。 その青年が言う。 「――だけは、俺が絶対に守ってやる」 ――だけ? 今これだけの人々が、殺戮されているというのに? そこに込められた意味は、知らない。 けれどそれは悲痛に溢れ哀切を含み、残酷な現実を突きつける言葉だった。 胸に突き刺さる、言葉だった。