エド・ウッド 親愛なるサイテー監督の世界【映画評論】
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【映画評論】 1980年。一冊の本が一人の男に、史上最低の映画監督の称号を与えた。 映画が好きというだけで1950年代のハリウッドを駆け抜けた男エド・ウッド。『ゴミみたいな映画はたくさんあるが、映画みたいなゴミを撮るのはエド・ウッドだけ』と言われるほど、彼の映画は軒並み最低品質のゴミ映画ばかりだった。彼の死後、映画オタクたちが彼の作品を「あまりのつまらなさに一周回って面白い」と評価し、彼に史上最低の映画監督の称号が与えられた。 以来50年。多くの監督が多くの観客に絶望を与えた。しかし、後にも先にも史上最低の映画監督と言われたのは、彼ーエドワード・D・ウッド・Jr以外いなかった。彼を敬愛したティム・バートンが、彼を題材に伝記映画を撮影した。それはアカデミー賞等著名な映画賞を受賞し、彼の悪名は世界規模になった。 しかし、この男の映画を見た我々は思う。 「本当にこれが史上最低の映画なのか?」 これよりひどい映画なんて、たくさんある。これよりつまらない映画なんて、たくさん購入している。 『デビルマソ』より楽しい。この程度で、史上最低を名乗るんじゃない。 果たして、エド・ウッドは本当に史上最低の映画監督なのだろうか? 本書では先行の書籍を踏まえて、史上最低の映画監督の人生を追い、彼の作品の紹介、そして伝記映画『エド・ウッド』で描かれなかった彼の人生を追いかける。同時に、『エド・ウッド』と史実の相違を突っつき上げ、彼の作品に登場した俳優たちを28人紹介する。 【主な内容】 1サイテー監督の生涯 『黄金時代』とその終わり、そして『エド・ウッド』で描かれなかった、晩年の戦いの日々を追いかける。死後の再評価の中で、彼は何を思うのか。 2史上最低の映画レビュー 本書では代表作『グレンとグレンダ』『牢獄の罠』『怪物の花嫁』『プラン9・フロム・アウタースペース』はもちろんのこと、『X博士の復讐』『ナイト・オブ・ザ・グールズ』『ネクロマニア』『クレイジーキャッツ/早く起きてよ』など一般には、知りたいと思う人すらいない、ゴミ映画のレビューも行う。レビューを読んだだけで、見た気持ちになってはいけないよ。いいね? 映画は自分で見てから語ろう。そして絶望するがいいよ。 3エド・ウッドの仲間たち 彼の映画に出演した名優たちを28人紹介する。その中には、マカロニ映画に偉大なる足跡を残したある人物がいたのだ。 4『エド・ウッド』解説 始まりは若い二人脚本家のファンレターだった。誰にでも安心してみせることができる名作の真実に迫る。