死んだおっさんを今日もなぐさめる【2020年6月】
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創作小説コピー誌 A5サイズ・64頁 「死ななくても」 陽子が言った。 「死ななくても、よかったんじゃないですか」 聖が歯を食いしばって、涙をこらえる。 やまない雨はない。でも、彼女に降った雨は、 その人生がおわっても、降りやまなかった。 霊能者が説得しても、幽霊が聞かないとき、逆に幽霊の方に仮想実体を与えて、恨みを晴らさせるガジェット「トマス・ディディモの石」これを使って、聖と陽子は今日もおっさんの霊をなぐさめる。添い寝し、食事をつくり、いっしょに風呂に入る聖に、所長はセーラー服をかざして言う。「この年代の男の人はねー、制服デートが出来なかったことが最ッ大の恨みになってるケースがあるのよ」親友を、最愛の姉を救うために頑張る二人の、明日はどっちだ。