詩集「野ばら」
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詩集「野ばら」 突然まなこに映った映像、絵画、および感情等を「手を加えずに」言葉にしました。 シンプルな言葉で紡がれた詩は読みやすく、簡単で、まるでモーツァルトの「きらきら星」のよう。難解でわからないというようなものは少ないように思います。小説家である前に詩人でありたい。思い入れの多い作品集です。無理矢理書かない、「生まれたもの」だけを「生まれた」言葉だけで書くがこだわり。詩の泉の水があふれた時にしか筆を取らない詠み手からようやく生まれた30篇を収録。追求する純粋な芸術がここに。 本を開くとまずは自信作「魅惑の花園」がお出迎えします。22のお花をレディに見立てて紹介しています。 お花の写真を見ながら読んでみてください。 かわいいもの、かなしいもの、ブラックな一面を持つものなどさまざま。 全体を通して統一性はありません。 キャラクター性が豊富で、詠み手の姿が念頭にあると読む方が戸惑うことがあるかもしれません。 あまり深く考えず、また詠み手の生活や人格を探るのではなく、単純に「作品」としてお楽しみいただけたら嬉しいです。 A6/64頁/30篇収録
読者感想
「私たちを出迎えてくれる「魅惑の花園」。この詩集の入り口であり、紹介される個性的な花々のかたちは、この詩集全体のことを表してるのかもしれない。私たちのもとには個性的な詩が流れてくる。統一性はなくてもいい。前向きなものも後ろ向きなものも様々なひとの気持ちがある。それは詠み人がインスピレーション得たものを躊躇なく次々に言葉に起してきたからではないかと思う。押し寄せる奔流のなかにあなたにも突き刺さるきっと世界がある。」
作品紹介
「歓迎」 生まれて3ヶ月の元気な子犬よ 小さい心臓をとくとくと早く鳴らして 生命の歓びは弾けんばかり お前には全てが新しく、見るもの聞くもの嗅ぐもの全てに興奮する あっちこっちで粗相をして、僕のTシャツを食いちぎっても、 全然罪がない顔をしていやがる でもその何も知らない目は、畜生、とってもきれいで、 僕はいつも許してしまうのさ 新しい僕の相棒 僕の家にようこそ 親兄弟と離れ離れになった分、 僕がたくさん遊んでやるからね 「デートに向かう姉さん」 ちょうど夕空のオレンジ色がコバルトブルーに塗り替えられていく頃 デートに向かう姉さんは忙しなくめかしこんでいる シャワーを浴びた湯気立つ体にはローションをたっぷりと浸み込ませ ぬかりなくコロンを耳裏と谷間にしのばせる 巻き毛にした髪にはローズの香のオイルを 丁寧な歯の手入れも忘れない 黒のレースのドレスを纏うと次はお化粧だ おしろいをはたいた肌は生花の花びらのようで 男の指を誘っている 唇は淡いコーラルピンク まことにきれいな姉さんだ 仕上げに真珠で首元を飾ると ショールを肩にかけ ヒールを鳴らして出て行った 僕は当ててやる ドレスの下にはあの大事な赤の下着をつけて行ったに違いない そうさ、姉さん 恋は楽しまないと お楽しみは多いだろう おいしいフレンチ その後はカフェか、バーか、それとも楽園か 今夜はまことにきれいな姉さん 行ってらっしゃいよ 今宵は甘い夢を 存分に
著者紹介
1987年4月12日生まれ。 純文学。小説と詩を書く。 純粋な芸術を追求し、執筆活動を行う。 「芸術のための芸術、文学のための文学」を標語に掲げる。 2018年より文学フリマで自著を販売。2021年には文学フリマ全都市行脚を決行。 代表作は「千秋の日記」。作品はイベント及び通販にて販売。 早稲田大学国際教養学部卒。 ブックショート優秀作品/文芸思潮現代詩賞3次通過。 HP小説ブログ「メルヘンの園」 https://ameblo.jp/komachi-ran/message-board.html