ワールドエンド・インターネット
- 500 JPY
文学フリマ東京24頒布の「インターネットの闇」をテーマとした創作短編集です。 仕様 A4 計96P ・神の声は民の声 ・二次元嫁と地獄でダンス ・明日、インターネットが終わります 計3本を収録
神の声は民の声
テレビを一切信用しない主人公は、ネットの情報だけを頼りに生きていた。しかしまとめブログで手に入れた最新のファッションであるはずの「ビニールスーツ」を身にまとい、得意げに街を闊歩していると、警備員に職質をされてしまう。警備員が、ネットのまとめブログの裏では金が動いているのだ、という事実にショックを受ける主人公。果たして、本当に信じることのできる情報媒体は何なのか。 情報は、どこが正しくてどこが間違っているのか。結局、その判断をするのは需要する側であることを突きつけます。 (天川榎 作)
二次元嫁と地獄でダンス
ゲームキャラクターのヒヨリに傾倒する主人公は、クリスマスの夜、 購入した等身大フィギュアとの甘いひと時を過ごしていた。 そこに現れたサンタクロース姿の中年男性。彼は、主人公に「嫁と出会えるプロジェクト」に見事当選していることを言い渡しに来たのだという。 サンタクロースに渡されたのは、あらゆる等身大フィギュアを実体化するという銀色に輝く玉”カミコウリン”だった。 ”カミコウリン”を早速ヒヨリに装着し、動き出すのを待つ主人公。 しかし、ヒヨリが動き出した途端、主人公は実体化したヒヨリの体と、自分の体とが入れ替わっていることに気づく。 二次元嫁と入れ替わってしまった主人公、そのドタバタ喜劇をご覧あれ。
明日、インターネットが終わります
[前編] IOTが普及し、インターネットが完全に行き届いた世界。インターネットは、人々にとって必要不可欠なものとなっていた。 主人公の三十代独身ニート男性、長崎勇はインターネットから流れる情報とソーシャルゲームだけを生きがいにしていたが、ある日突然、政府からインターネット終了の宣告を受け、絶命宣告を受けた思いで情報収集を行う。回避策は? ネットが終わったら、自分はどうなる? デジタルに腰かけすぎた人間の、突然の余命宣告の慌てぶりを凝縮。こんな人に、あなたはなってないか。 [後編] 長崎勇の父親はネットワーク・エンジニアだった。ある日情報推進化機構から宣告された、ネットワークの切り替え作業(通称Xデー)に備えて作業準備を行っていたものの、後輩の安田の手違いからトラブルが発生。復旧まで、休む間もなく徹夜の作業を余儀なくされる。安田とともに、ネットワーク設定復旧に明け暮れる長崎であったが、原因であったはずのオペレーションミスを排除しても、ネットワークの設定は復旧しない。このままでは、インターネットの世界は元に戻らない。果たして解決策はあるのか。止まらない時間、鳴りやまない電話に焦る、仕事人の姿とは。 誰かが困っている裏で働いている、裏方の人間。それは案外、身近な人かもしれない。一般に知られざるエンジニアの姿を、構築の困難さを物語る作品。