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折に触れ、「きみは、こんなところにもいたのか」と、思うことがある。
いつもと違う視点人物でおくる、江戸川悠の考察教室シリーズの番外編。
司馬遼太郎「無名の人」を切欠に、本と人とのつながりを想う一冊。
かつて、中学の教科書に書きおろしで掲載されていた「無名の人」。
歴史小説の大家として多くの歴史資料を調べ尽くし、日本の現在・過去・未来を見つめた知の巨人・司馬遼太郎はこの短いエッセイの主人公に、なぜ<所郁太郎>を選んだのか。
そして、そこに描かれた無名の人の生き方から何を伝えようとしたのか。
巨匠の素敵な読書のススメでもある本作を、現代の私たちの視点から読む。