"気力がない。でもひとり旅がしたい。一日にアクティビティはひとつでお腹いっぱい。なんならずっと引きこもっていられる。いろいろ回る体力もないし、予定表なんて見ているだけで疲れてしまう。観光地で判を押したように同じ店をおすすめされると、どんどん行きたくなくなってしまう。 そんな状態で旅に出て、ホテルの一室にこもってこれを書きながら、わざわざ交通宿泊費をかけてここまで来ている意味……？と自分自身に時折首をかしげながらも、でも、やっぱり旅へ出てよかった、と思う。"（「あとがき」より） 文学フリマ福岡に何か作品を出すために、疲れた心身でとりあえずひとり執筆合宿に出てみたらこうなった。大分・別府での二泊三日の思考を起点にした、決して観光案内にはできない旅エッセイ。自分の中途半端さに頭を抱える、すべての人へ。 ・文庫サイズ、モノクロ、94ページ