見ようぜ、浮世絵【増補改訂PDF版】
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フリーペーパー「ココカラ」に連載した浮世絵エッセイというか評論というか入門篇のような記事をまとめた「見ようぜ!浮世絵」の増補改訂版「見ようぜ、浮世絵」です。元版より文章量は1.5倍、掲載図版は2倍に増やし、新作2本も追加しました。また、目次、タイトル、ルビなどを追加して、読みやすく、使いやすい本になりました。価格は据え置き、元版のPDFを購入くださった方は無料でダウンロードできるはずです。元版で調べが行き届いていなかった部分なども大幅に改稿しましたので、ほとんど新刊と言っていい内容になっています。目次から既に別物ですw 浮世絵を、江戸のメディアとして読み解くことで、美術作品を越えるエンターテインメントとしての浮世絵の面白さが見えてくるような気がする、という感じの話を、各回一点ずつ浮世絵を取り上げて喋っているように書いています。取り上げている浮世絵は以下の目次を参照してください。図版はカラーで掲載されていますので、画集的にも楽しめます。変な浮世絵が並んでいるので、そこだけでも面白がっていただければ。江戸後期のカルチャーの面白さについて、多く書いているので、歌舞伎好き、食べ物好きの方にも面白がっていただけると思います。
見ようぜ、浮世絵【増補改訂版】 目次
江戸の街と生活のスナップショット 歌川国芳「東都名所 新吉原」 魅惑のキャラクターとしての地獄大夫 河鍋暁斎「地獄太夫がいこつの遊戯ヲゆめに見る図」 キュートな小悪魔をカレンダーにしてしまう 鈴木春信「明和二年絵暦 見立丑の時参」 カッコいいけど分かりにくい天才絵師 歌川広重「名所江戸百景 深川洲崎十万坪」 日本人は猫の可愛さを長い間見逃していた 歌川国芳「猫飼好五十三疋」 提灯がお岩さんになる歌舞伎はないんだけど…… 葛飾北斎「百物語 お岩さん」 行っても会えない花魁より、行けば会える看板娘 喜多川歌麿「当時三美人」 異形だからこそ人気が出るのが歌舞伎役者というもの 東洲斎写楽「四代目岩井半四郎の乳人重の井」 美談というよりパロディのネタだった「忠臣蔵」 月岡芳年「月百姿 雪後の暁 小林平八郎」 北斎と広重をネタにふざけ倒して消えた謎の絵師 歌川広景「江戸名所道戯尽 両国の夕立」 江戸時代に発見された〝かわいい〟という概念 歌川芳虎「家内安全ヲ守十二支之図」 真面目とセンチメンタリズムが浮世絵を滅ぼす 川瀬巴水「東京十二題 こま形河岸」 浮世絵の幽霊には基本的に足がある 月岡芳年「新形三十六怪撰 ほたむとうろう」 風景×妖怪、江戸の風景画は仕掛けがいっぱい 歌川国芳「木曽街道六十九次之内京都 鵺」 江戸っ子と風船は高いところが大好き 三代歌川国貞「浅草公園陵雲閣登覧寿語六」 男装の女性、女装の男性はどう描かれる? 三代歌川豊国「近世水滸伝 鬼神の於松 坂東志うか」 江戸歌舞伎は勧善懲悪のふりをして悪の魅力を描く 歌川国周「弁天小僧 尾上菊五郎」 妖怪〝がしゃどくろ〟はどうやって生まれたのか? 歌川国芳「相馬の古内裏」 魚介類の天麩羅は江戸の庶民のファーストフード 月岡芳年「風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗」 明治に女性の鼻の穴を描かなくなって美人画は滅びる 喜多川歌麿「婦女人相十品 ポッピンを吹く女」 あまり語られない「変な絵」の人としての北斎 葛飾北斎「くだんうしがふち」 浮世絵に於ける師弟関係の不思議な繋がり 勝川春章「二代目市川門之助の真田与市、市川純右衛門の大場三郎」 作り物の美しさ、金魚が大好きな江戸の庶民感覚 歌川国芳「金魚づくし にはかあめんぼう」 映えの先を見据えた広重のデザインセンス 歌川広重「名所江戸百景 四ツ谷内藤新宿」 時代に流されないシスターフッドなラスト浮世絵 尾竹国一「自転車に乗る美人」 病気も鼠も災いも浮世絵を貼っておけば安心だ 歌川国芳「しんば連 魚がし連 市川三升へ送る」 印象派の画家たちは浮世絵の何に驚いたのか? アンリ・リヴィエール「ギャルト=ゲランの女」 人とは違うものが見える「眼」が描いた日本の風景 亜欧堂田善「品川月夜図(銅版画東都名所図)」 印刷技術の進歩は木版画の凄さを越えられなかった 太田記念美術館「鏑木清方と鰭崎英朋」展 増補改訂版のためのあとがき
