ブラックホールがだいたい分かる本(下)
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ブラックホール。それは光さえも逃げ出せない、あらゆるものを飲み込む宇宙の穴です。しかし真っ暗で冷たいだけの退屈な天体ではありません。ブラックホール自身はただ周囲のものを飲み込むだけですが、それによって周辺では他に類を見ないほどの超高エネルギー現象が引きおこされているのです。それだけではなく、ブラックホールの存在は宇宙の構造にも多大な影響を与えています。銀河の中心にはとんでもなく巨大なブラックホールが鎮座しており、それが銀河と互いに影響を及ぼし合いながら成長してきたのです。 そのあまりの異質さと宇宙に与える影響の大きさから、ブラックホールは現在盛んに研究されており、天文学の最前線といえる分野の1つになっています。本誌ではそんなブラックホールの研究を、数式を用いずイメージ重視で、しかし網羅的に解説しています。 下巻では上巻の内容を基礎として、より突っ込んだ内容についてお話しします。ここ10年ほどのブラックホール研究の成果は目覚ましく、その代表がブラックホールから発せられる時空のさざ波「重力波」の検出や、ブラックホールの姿を写真に収める「直接撮像」の成功です。しかし最新のブラックホール物理学であってもブラックホールの本体である「特異点」や、ブラックホールと対を成す構造「ホワイトホール」など、未解決の謎は多く残されています。さらにブラックホールはこの宇宙そのものの成り立ちに関わる重大な性質を秘めていることも分かってきました。宇宙とは何か、時間とは何か、空間とは何か――我々が存在する世界の本質に迫るカギを、ブラックホールが握っているのです。
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