自信なんて、なかった。 でも、誰かと一緒に歌っていたら、いつの間にか笑ってた。 これは、一人の少年が“声”を通して変わっていく、ドタバタで優しくてちょっぴり泣ける物語。 ――主人公は、アイザック。 負けず嫌いで、ちょっと頑固で、人に素直になれない12歳の男の子。歌が好きで、誰よりもうまくなりたくて、でも人とうまくつながるのが少し苦手。 そんなアイザックが参加したのは、バーチャル少年合唱団。少年たちが、「歌いたい」という思いで集まる不思議な場所だった。そこには、個性豊かな仲間たちがいた。 天才だけど変声期で悩む元ソリスト・フィリップ。 アイザックの弟で、天使のように無邪気なベンちゃん。 まじめで冷静だけど、どこか不器用なアレックス。 感情を忘れたような少年・ローレンス。 そして、プロレスマスクをかぶった謎の“先生”。 最初はぶつかってばかりだった仲間たちと、衝突しながら、笑い合いながら、少しずつわかり合っていくアイザック。 やがて、彼は気づく。 **「歌うことは、誰かと“声”を重ねること。心を通わせること」**だということに。 少年たちの間で起きる小さな事件や、日常のすれ違い、そして葛藤の数々。 でもそのすべてが、アイザックを“ちょっとだけ大人”にしていく。 仲間に支えられ、自分自身とも向き合いながら、アイザックは本当の自分の「歌」を見つけていく。