3DC絵本 コフィアナ館物語 第一話・制作・夢穂六沙
- Digital100 JPY

『ティーファとコフィアナ館のふしぎな扉』 ~ある日、ぼくは風の道を見つけた~ ぼくが住んでいたのは、スモークの煙と馬車の音がひびく、古い街だった。 お父さんは大きな貿易のお仕事をしていて、家にはぴかぴかのオモチャや、 ふしぎなゲーム、たくさんの本が並んでいた。 だけどね…… 街の広場には、いつも“ガキ大将”がいて、 ぼくの大切なものを見つけると、ぜんぶ取っちゃうんだ。 ある日、ぼくが小さな路地を歩いていると、 ひかりの羽根がひとつ、ゆっくり空から落ちてきた。 「う……うう……」 そこには、小さな声で泣いている――妖精のティーファがいた。 ティーファは、迷子で、しかも熱が出ていて、元気がなかった。 ぼくはそっと手を差し伸べた。 「大丈夫? ぼくの家に来る?」 でもその時! ガキ大将がやってきて、ティーファを見つけて、つかまえようとした! ぼくはティーファの手をぎゅっとにぎり、 「逃げよう!」って走った。細い道へ、どこまでも―― 🌫️そして、くねくねと曲がった路地の先に、 見たことのない扉がぽつんと立っていた。 ドアを開けると、ふしぎな風がふわっと顔にふいて、 そこには――大きなお屋敷と、広い空、空にかがやく湖と山の世界! 🕊️ぼくたちはそこに迷いこんだんだ。名前は、コフィアナ大陸。 そして、大きな扉をカタリと開けたその場所―― コフィアナ館という屋敷で、 ぼくは美しいメイドさんに出会った。 彼女は、ゆっくりとお辞儀してこう言った。 「ようこそ、ご主人様。三百年ぶりのお戻りですね。 コフィアナ、心より歓迎いたしますわ。」 そして――ぼくとティーファの、ふしぎでやさしい、冒険が始まった。