【紙書籍版】火を焚くZINE vol.2 恐山・下北半島編(送料別)
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恐山と下北半島を9人で旅した経験を、小説の形で集めました。 小説家の滝口悠生さんが同行、寄稿してくださっています! 作品紹介 ■ 町尾は女が欲しかった / 大島康彰 第一稿の段階では町尾のことなんか心底どうでもよかったんだけど、書いているうちに「こいつ、ホントに人間好きだったんだなぁ」と発見してびびりました。ぼくとは大違いです(作者談)。あの日高速バスに乗って青森で消えた町尾を巡る、ちょっとずつ語り口の違う掌短編小説三本立て!お楽しみに! ■ 掘削 / さざわさぎ ある朝、長年使ってきたサンダルが突然壊れた。いつの間にこんなに、劣化して固まり、ぼろぼろになってしまっていたのだろう。海沿いのちいさな集落に一人で住まう琴子さんは途方に暮れる。そして、外に出て、歩き出す。どこに向かっているかは自分でもわからないまま。 ■ 伽 / 略箪笥 友人がいなくなった。「僕」は彼の下宿でブルーアーカイブの二次創作マンガを見つける。それを「声優さん」に届けるべく(?)「僕」は新幹線に乗り込む。しかしそこで出会うのは予定外の人と出来事たち。変性する日記、並置されるテクスト。物語はどこへ向かうのか......。 ■ 海辺 巡行 バーベキュー / 松本アリヤ 海辺でバイオリンを弾きながら、ギャラリーの女の子を物色する男に忍び寄る”鬼”。オーケストラをクビになり、ノイズバンドに加入した男が、なぜか取ってしまった不可解な行動。百鬼夜行に遭遇し、中年男性の肉体に入り込んでしまい、謎のバーベキューで何かに遭遇する女。世界の秘密を目にした者たちの3篇。 ■ ふゆみの三日間 / 奈良原生織 夫の佐久汰が二泊三日の下北半島・恐山旅行に出かけた。残された冬美は実家に帰って母と兄と過ごしながら、相方が書かなくなって久しい交換日記帳に、長い日記を書きつける。8月23日の朝、冬美のもとに、ずっと会っていない同級生の訃報が届いた。 ■ キョウヘイ / きたのこうへい キョウはずっと昔から、恐山に来ていたとわかった。でもそこが、恐山とは正反対の場所だとも、わかった。野球場と霊山、すり鉢とカルデラ。この穴にいるのは誰? ここにしがみついているのは、ここからわたしを追い出したのは。誰なんだよ。 ■ 交通 / 木村 ジョン!とうみが大きな声で名前を呼ぶ。ジョンという音になんとなく尿意を覚えるーー。折り畳まれたものがパタパタと開いていき、通い交わるものの時間に「僕」は投げ出される。 ■ 夜明けのオーパーツ / 堀敦詞 半島を旅をする9人は、道中でひとりまたひとりと姿を消し、船に乗るころには3人に。かれらは「消える」ために来たのだった。人工臓器が食べものを処理する気だるいまどろみのなか、私は残った者を処理しようとじたばたする。近未来チープSF。 ■ けむり / 滝口悠生 「乗車定員が十人のハイエースにいま九人乗っている。」 下北半島の山間や海沿いでハイエースを走らせる春生に、その一族の記憶がついて回る。恐山への旅を題材に、『文學界』に掲載された短編小説「煙」のその後を"ひらいてみた"作品。

