『現代人5』(PDF版)
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すべての現代人のための文芸誌『現代人』、1年半ぶりの新刊にして、リニューアル号です。 小説が好きな人も、エッセイが好きな人も、インタビューや座談会が好きな人も、哲学が好きな人も、ビジネスが好きな人も、お楽しみいただける内容になっているかと思います。ぜひ。 ~収録内容~ ●樋口恭介ロングインタビュー 聞き手=あいけ 「SFあるいはゲームとしての労働——交感神経時代の愛と文学」 人文と労働、昨今切り離されつつある二つはいかに交わるのか? 悩める聞き手=あいけの問いを受け、SF作家にしてハードコア労働者でもある樋口氏が縦横無尽に語り尽くす、必読・圧巻の3万字。 ●小説 名取道治「ピンクサロン」 誰かに体をさわられにいく。から、始まる、ピンサロ嬢のための短編小説。ピンサロではたらくという閃きが、人生の新たな一面を生んでいく。 ●小説 あいけ「湯気に沈んで引き返す」 「私」と蕎麦にまつわる短い散文。「私」は蕎麦屋へ入り、蕎麦を食べる。「私」のフィルターを通した比喩により、ふつうの蕎麦屋は無数の意味と無意味で彩られ、やがて「私」はある決断をする。 ●エッセイ 山下かめれおん「音信不通体験記(あるいは合格体験記)」 SNSやLINEを全て削除し、一年半の間友達と音信不通になりながら会計士試験に励んでいた実体験に基づくエッセイです。「合格体験記も一種の文学だ」という持論をもとに、当時の心境や出来事を赤裸々に語った文章です。 ●広井亜香里インタビュー 聞き手=あいけ 「文化としての柑橘を語る——柑橘ソムリエと楽しむ柑橘の世界」 学生時代を柑橘に捧げた聞き手・あいけが、「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」所属の広井さんと柑橘談義をしてきました。柑橘カルチャーの熱さの一端をお届けするとともに、初心者のための柑橘入門のお話も! ●小説 高橋聖都「メルト・リリィの日記」 結婚生活の嘘。主人公は妻が本当に愛する人への思いを綴った日記を見てしまう。寂しさを覚えたまま自分も妻を傷つけるために行動するが幸福からは遠ざかるばかり。 ●連載哲学エッセイ 名取道治「デジタル風土論(一) 風土/デジタル風土とは何か」 新しい試み。和辻哲郎『風土』、オギュスタン・ベルク『風土の日本』『風土学序説』、これまでの風土論を踏まえ、デジタル空間、あるいは、落合陽一の呈するデジタルネイチャーにおける風土、"デジタル風土(le millieu numérique)”を提唱。 ●座談会 カルチャー解放区#1 岸田大×あいけ「詩と散文とヴァース・ノベルをなぜ書き続けるか」 『改行』主宰の岸田さんと『現代人』主宰のあいけの3万字座談会! 創作モチベと原点、散文と詩、文学と政治、批評、歌舞伎町、演説、仕事のメール等々、多岐に乱れ飛ぶ対話篇をお楽しみに。 ●特集「万国博覧記」序文(名取道治) 2025年は、万博の年であり、排外主義の高まった年。そんな年だからこそ、いろんな方の海外の在住経験にいま一度目を向ける必要がある。バヌアツ / エジプト/ セネガル / 日本 / ザンビア/ 中国 / コンゴ(民) / フランスの8か国全10篇。 ●エッセイ:バヌアツ 糸見涼介「終身名誉バヌアツ人」 ●エッセイ:エジプト 蓮沼まひる「あべこべの国エジプト」 ●エッセイ:セネガル 「石川穂「アフリカの西端で」 ●エッセイ:日本 Sophie(訳=名取道治)「日本との恋愛関係」 ●エッセイ:ザンビア 潤「遥かなるルサカ」 ●エッセイ:中国 未明君「中国紀行―始まりの十年―」 ●エッセイ:コンゴ(民) 美甘樹々「ことぶき、よろこび、そしてめぐみ。」 ●小説:コンゴ(民) 神室寿汰郎 三声譚 ●エッセイ:日本 水本義治「収奪された祖国の千ベロ酒場」 ●エッセイ:フランス 名取道治「情熱を新たに吹き返す」 ●小説 名取道治「アフリカの闇鍋」 短編小説。アフリカとの会議を終えた一座は、闇鍋を囲みながら、おのおのの言葉でアフリカ各国との関係をふりかえってゆく、闇鍋のいろんな具材にほんろうされながら、なにかの光がよぎりはじめる。 ●小説 あいけ「オフショルダーの明滅」 並行世界遷移を繰り返しては、オフショルダーを着た元恋人を殺していく〈覚醒者〉リヴィオ・カヴァッリはどこへ征くのか。肩と視線をめぐるSF小説。架空の文献、ゼノン・ファウスト『肩の美学史』の参照箇所も多数。 ●座談会 カルチャー解放区#2 名取道治×高橋聖都×山下かめれおん×あいけ「銀杏派文学はどこから来るのか」 銀杏派フルメンバー、初の座談会! 原稿〆切前日の収録のため、独特な臨場感のある内容に。4人の現代人の人となりの一端が見える、自由な対話をお楽しみください。 表紙イラストレーション=名取道治 デザイン・DTP=yewya 写真=久保田暢、平田徳昭 巻頭詩=あいけ A5・278ページ
