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その昔、相争っていた五つの国を偉大なる王が一つに統べた。 それが、この国の始まりである。 王は五つの国が再び争うことがないよう、ある掟を作った。 王の子は、王になることなかれ。 王は、他の四つの国が自分に対して恭順を示したのであり、 自分の国に対してではないことを知っていた。 自分亡き後、他の四つの国が隙を見て叛旗を翻すことを、王は恐れた。 王は自らの子孫による支配ではなく、自らが成し遂げた統一の存続をこそ、願ったのだ。 これは、五つの国の末裔である五大家と呼ばれる貴族たちの物語。 ということで、「赤い分銅」は密林の中に築かれた都を舞台とし、都を支配する貴族たちを描いた物語です。 クァトは五大家の一つ、東方を支配するウタラ家の次男として生まれた。掟により、王位継承候補者となれるのは長子だけと定められている。それ故に、成人してからも酒と拳闘に明け暮れる気楽な毎日を過ごしていた。だが、彼に流れるウタラの血が、怠惰を許さない。 実質的にウタラ家を支配する母、タナ。 母の言いなりとなっている気弱で優しい兄、ルー。 北の山岳地帯を支配するバラト家の当主ケパラ・バラト。 その息子であり、クァトの友人であるレワ。 寺院にありながら国を動かす王の長子アカル。 王位継承を巡り、思惑が交差する。クァトも望むと望まないとにかかわらず、争いの渦の中へと巻き込まれていく。 絢爛豪華な王の都の裏で、「蛇」もまた、暗躍する。 装画には日下田さんをお迎えしました。 物語に出てくる様々なモチーフを、魅力的なコラージュに仕上げて頂きました。赤い紙に赤と黒の2色刷りという趣味に走った表紙ですが、とても美しく仕上がりましたので是非現物をお手にとって頂けたらと思います。 A5版76P 表紙デザイン:日下田治久