揃い髪 第一話「第十一条」
- Digital990 JPY







大手インフラ企業「東邦電機」の新卒錬成研修。 七尾律(23歳)は、同期24人の中でただひとりの女性総合職。 内定が出た週にようやく染めたミルクティーベージュの腰丈の髪は、 四年ぶりに「自分で選んだ」ものだった。 研修前夜、律は研修所規程 第四章第十一条にたどり着く。 「研修生の頭髪は、研修初日をもって一律スポーツ刈りとする。 男女の別は設けない」——1946年から一度も改正されていない条文。 誰も怒鳴らない。教官・郷田は条文を読み上げるだけ。 人事の真柴は本当に改正を上申していて、通らなかったことを本当に詫びる。 理容師の手つきは丁寧で、確かな腕前。 だからこそ律には、抗うための取っかかりが何ひとつない。 廊下の順番待ちの列で、扉の向こうのバリカンの音を聞きながら、 前に並ぶ二十三人を数える。ケープが手ごと覆い、髪紐がほどかれ、 四年が二十分で床に落ちる——鋏が長さを落とし、バリカンが耳を出し、 アタッチメントを外してもみあげと襟足を詰め、櫛目を通して仕上げる。 「よし。規格通り」 羞恥はそこで終わらない。社内報と翌年の採用パンフレットに載る集合写真。 「笑って」と言われる。研修所の壁には、八十年分の同じ写真が並んでいる。 今日から律も、その中にいる。 【収録】フルカラー35ページ/全100コマ 【エンジン】喪失・無力・羞恥。四幕構成(誇り → 条文と順番待ち → 断髪 → 晒しと受容) 【方針】散髪の屈辱に特化した非性的作品。性的表現・露出はありません。 【生成】AI(画像生成)を用いて制作。 ※登場人物はすべて成人(律は23歳・大学卒の社会人)です。企業・規程・状況はフィクションです。
See More






