還らずの君へ
- ¥ 2,200
A6 306P 髭膝長編小説。 こちらはリニューアル版、またの名を新装丁版です。商品画像通りのものです。タイトルに金の箔押し、カバーにマットPPをかけてます。しっとりさらさらです。箔押しですがタイトルははっきり見えます。かわいいです。 CP要素は薄め。 (一応)刀剣破壊表現?あり、独自設定及び解釈あり、男審神者が登場します。 膝丸が髭切に出会う話、また、髭切が膝丸に出会う話。 もしくは髭切が膝丸を見つけ、膝丸が髭切を見つける話です。 シリアスはありますが最終的にハッピーエンド。 ――――― 『還らずの君へ どうしていますか?』 ある日、「彼」の元へそんな一通の手紙が届いた。 差出人の名前はなく、本文もたったの二行。手がかりはリンドウを象った封蝋だけ。思い当たる人間は誰もいない。きっと何かの間違いだろう、と彼は思った。今までずっと、自分を構成する"何か"或いは"誰か"が不在のままの人生を過ごしてきた。胸の中に確実に空いた埋められない穴を自覚して、それを埋める何かを渇求して生きていた。だからこの手紙は、そんな自分に宛てたもののはずがない、と。 だが、彼は町外れの喫茶店で一人の青年と出会うことになる。初対面であるはずの青年はそして、彼へ向かって笑った。「やあ、また会ったね」 ーー懐かしい、と思った。記憶のどこにもいないその青年が大切だと、理由がわからないままそう思ったのだ。 奇妙な縁は繋がれ、彼はその不思議な青年と時を過ごしていくこととなる。謎の多い青年はたまに寂しげに微笑むけれど、なぜだかとても居心地のよい青年の隣で、彼は今日も、こんな優しい日々が続くことを密かに願っている。 ーー青年は、柔らかな稲穂色の髪に、琥珀の石のような美しい瞳を持っていた。 これは とある誰かが、大切な何かを見つけるお話。 或いは、既に終わりが定まっている彼らの、願いと在り方のお話。