朗読ブックの冒頭部分です。
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初恋は終わり、遥か昔に忘れ去られて、彼女は、とうにどこかの誰かさんになってしまった、としても初恋の人を見つけるのはそう難しくない。
学生オーケストラの第一バイオリンとして体を揺すり弓を弾く彼女の面影は初恋そのもので、再び濃い心が淡く立ち上る。
アイドルグループの一員のなかに奇跡の一枚のように浮かび躍動する体と顔を追う目は初恋の人を見る目と同じ。
クラウチングスタートを繰り返す君は少し大人に成ったバンビのようで躍動的で眩しいくてたちまちに中学のグラウンド横の並木道にいる自分に戻ってしまいます
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神様としてはなんか幼いね。