小さな谷底にある1枚の幻燈世界。 これは僕が愛した世界。 クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。 クラムボンは跳ねて笑ったよ。 青く暗い鋼の様な空に向かって粒ほどの泡がこぽこぽと流れていく。 クラムボンは死んだよ。 クラムボンは死んでしまったよ。 日光が金の様に見えた。そして光の網は水の中に降ってきた。白い底の岩の上で美しくゆらゆらと踊る様に伸びたり縮んだりする。 二対の蟹は青い焔が揺らめく様な川の中で粒ほどの泡を吐き、白の円い石ころを背景に、金剛石の様なやまなしが堂々と描かれた絵画。 『やまなし』宮沢賢治を元に描かれたこの絵を貴方達は知らない。 ほんとに知りませんか？ 貴方達は彼の世界を。知りませんか？ 本当に？ そうですか。クラムボンが死んでしまったから。クラムボンが死んだ日から。彼は。 クラムボンとは何ですか？ ○プリプレイ情報 時間：3時間〜4時間 プレイ人数：2〜3人 推奨技能：目星 新規継続問わない ロスト率：高 ※SAN値がドブの様に削れます 共通HO：貴方達は蝦名皮市にある、しがない絵画個展に訪れる。訪れる理由は探索者達によって様々であるだろう。個展に参加している作品群はとても艶があり、色彩豊かな絵画ばかりが並んでいた。その中でも一際目を引いたのが恐らく宮沢賢治の『やまなし』を元に描かれた作品『クラムボンが死んだ日から』という作品だった。画家の名前は『井沢光善（イザワコウゼン）』 貴方達はこの画家を知らない。 本当に知りませんか？井沢光善の事を？ またこの作品は宮沢賢治『やまなし』を元に作成されております。作品を読んでからプレイすると楽しめます。 シナリオ企画「 とある文筆家の書斎」に参加している作品です。 ※神話生物の解釈が違う可能性があります。 ※不快になる描写や展開が含まれます。また人によっては嫌悪感を抱くシナリオになってます。遊ぶ際には気をつけてください。 ※ このシナリオはフィクションです。 実在する人物、 地名、団体とは一切関係ありません。また、特定の宗教や病気を擁護または非難する目的で作成されたものではありません。