「レシピ」 CHIDA Tetsuya Recipe 千田哲也＝詩　結崎剛＝設計 B４四ツ折り　珈琲染め　珈琲豆附 （破れ＝割れ等がある場合があります） これは珈琲を淹れつづけた詩人による詩で、まさにその一つのことを見つめ続けそれによって生きる糧を得て来た人の、コーヒーへの静かな瞑想的な眼差しが感じられる。１２篇に分たれた珈琲豆の運命を「レシピ」として提供するとき、スラッシュで区切られた詩人の目線は、深く遠く珈琲という飲料の《抽象性》を捉えてようとしていることに驚く。 ①硝子のなかの豆／眼子（まなこ）の夢　②収穫・水洗・乾燥／木乃伊の嬰児　③輸送／海を渡る揺籃　④港・市場／交換価値　➄保存／真空あるいは至福　⑥選別摘出（ハンドピック）／異端審問　⑦焙煎／火刑あるいは火の洗礼　⑧粉砕（カッティング）／形相的還元　⑨抽出準備／さかしまの帰還　⑩抽出／開花あるいは消尽　⑪濾過／極小値０のエキス　⑫提供／眼差し ここに珈琲のエッセンスのような詩を届ける。