本居小鈴のあとがきより 　この本を読んだあなたは稗田阿求を見ることができただろうか。もしできたのならば、あなたの中に彼女は引き継がれていったのだろう。 　人生の終盤に差し掛かり、私は願ってやまない。私の残した幾つかの紙片と、それを捲ってくれたあなたの眼差とのあいだに、彼女がこれからも生き続けていくことを。