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5月3日 スーパーツキフレ。2023にて発行予定の衛藤昂輝×藤村衛 新刊サンプルです。 「夕影と恋人」A6/30p/600円/衛藤昂輝×藤村衛 スーパーツキフレ。2023 東5ぬ76b 【猫と彼誰時】 Growthの短編小説です。 あらすじ:初めて、兄弟が決まった昂輝と衛。決まった日の夜、衛から「やっぱり、コウくんと兄弟は、想像がつかないかな。」と言われる。ショックを受ける昂輝に対して衛は”ある提案”をする。衛の発言の真意とは。
SAMPLE
「やっぱり、コウくんと兄弟は、想像がつかないかな。」 突然衛からでた、思わぬ言葉に俺は、不意に聞き返してしまった。 聞き取れなった言うより、聞きたくなかったという方が強かった意味の聞き返しに気づいている様子の衛は、変わらぬ悲し気な笑顔で俺を申し訳なさそうに見つめる。 その表情、その言葉の意味が分からず、冷や水を浴びたように背筋が冷えるのを感じる。 事の発端は数時間前。 望月さんから来た、とある一報だった。 『昂輝君と衛君のW主演の連ドラが決まりました。兄弟役です。』 共有ルームで、そのLINEを読み上げると遠くからケンやリョウの驚く声が聞こえる。 きっと別現場で出かけている衛も同じ反応をしているだろう。 「コウと衛が?」「いや・・・どんなチャレンジ?」 ケンもリョウも動揺が隠せない様子で俺を囲むように集まってくる。 ―それを、俺に言われても。 そんな言葉は一度胸におとし、再度携帯に目を通す。 「まぁ。コウが決めた配役じゃないもんな。」 「お世話になってる監督さん、なんだよね。」 「ってことは、コウと衛の関係性を知ったうえでってことなのかな?」 俺の両隣で二人が考察を繰り広げる。 ―楽しそうで何より 「コウ、暢気すぎじゃない?」 リョウの珍しい鋭い一突きで俺の意識が戻ってくる。 「暢気?」 「だって、好きな相手との兄弟役だよ?」 ―・・・は?