
書名: 第九十四師団参謀長今村大佐回想記:盧溝橋からレンパン島まで 著者: 元陸軍大佐 今村英次 (輜重兵、陸軍士官学校34期、陸軍大学校専科7期) 発行: 帝國陸海軍史研究会 発行年月日: 令和6年8月12日 規格: A4縦、モノクロ ページ数: 54ページ 内容の概要 本書『第九十四師団参謀長今村大佐回想記 盧溝橋きょうからレンパン島まで』は、元陸軍大佐今村英次(陸士34期、陸大専科7期、輜重兵)が、輜重兵将校の戦友会である輜重兵会の要請(『輜重兵史』編纂のための資料提供依頼)を受けて提出した回想記である(なお、標題・副題は今回の出版に当たって便宜上付したもの)。 その内容は、①送付状、②支那駐屯軍副官・北支那方面軍副官在職中のこと、③陸軍省兵務局兵務課課員在職中のこと、④ビルマ方面軍兵站参謀長在職中のこと、⑤第九十四師団参謀長在職中のこと、の大きく5項目から成る。若い頃の輜重兵部隊での勤務については①の前半でごく簡単に述べられているのみであり、また、経歴の一部が省略されていて記載が全くないが、それら以外の主要な幕僚勤務の思い出が回想の主体となっている。 今村大佐はいわゆる“有名軍人”ではないが、支那駐屯軍副官時には盧溝橋事件が発生、陸軍省兵務局課員時には新服制(いわゆる九八式)導入等を担当、ビルマ方面軍兵站参謀長時にはインパール作戦失敗で崩壊したビルマ戦線立て直し等に奔走、最後の第九十四師団参謀長時には、終戦後に“飢餓の島”として恐れられていたレンパン島(恋飯島)へ自ら率先して赴き多くの師団将兵を日本に帰還させた非常に優秀な人物であり、支那事変勃発から終戦に至る間のいくつかの歴史の大きな節目に関わっていた。本回想記はあくまでも輜重兵会に対する書簡であるため長文ではないが、上記各場面における出来事について当事者の視点で詳細に述べられており、大変興味深いものである。 なお、本回想記は、当会の森下智会員が引き継いだ輜重兵会旧蔵資料群の中から令和5年に見付けたものであり、その内容の一部は輜重兵会編『輜重兵史』に反映されているものの、本資料それ自体は未発表のものである。
