シナリオ：「5㎠」 あなたは“普通”の人間だ。 あなたは“平凡”な人間だ。 超常的で驚異的な能力はない。 冒涜的で悲劇的な欠損もない。 当たり前の愛情を、憧れを、希望を、嫌悪を、あきらめを、失意を、 抱き、育み、共として、山あり谷ありの人生を生きてきただろう。 その人生に、とある１日の恐怖が訪れる。 その非日常は、たった５㎠に綴られる。 【概要】 舞台：現代日本 ジャンル：ホラー・シティシナリオ 推奨人数：1人 推奨技能：特になし 所要時間：３～４時間想定 ロスト率：中～高 PC条件： 新規・継続可。 ただし、GM・PLがともに“普通”だと認める人物であること。 あえてその条件を明文化するならば、それはすなわち平凡であること。 世に知られざる異様な能力を持っていたり、特殊な組織に属していたりしないこと。 異様な世界の一端を覗き見たことがあったとしても、平凡と呼べる日常を過ごしていること。 【あらすじ】 PCはいたって普通の人間である。その日も一日、仕事をした。 そして仕事終わりに学生時代の友人■■と酒を酌み交わし、駅で別れて我が家に帰った。 数か月に一度の楽しみだ。明日もまた、普通に仕事へ出かけるだろう。 だがその日の午後、普段なら耳にすることのない報せが届く。曰く—— ——■■が、昨夜遅くに自殺しました—— 【事前情報】 NPC「友人」 彼もまた普通の人間だ。PCの学生時代からの友人である。 近隣の会社に勤めている20代後半の男性、妻と5歳ほどになる子どもがいる。 PCとは度々誘い合って飲みに出かける仲だが、４年ほど前に父親を、前年の暮れに母親を亡くしており、そのバタバタで最近は顔を合わせる機会も減っていた。 ※注意事項 当シナリオは「自殺」（電車への飛び込み自殺）を大きな要素として描いています。こうした出来事に対して、精神的に大きな負荷を感じるという方にはプレイを推奨いたしません。 また、当シナリオでは描写や登場人物のセリフとして「自殺」を、あるいは「人の命が失われる」ことを、軽んじているような表現があります。この点につきまして、決して作者自身の価値観・倫理観と一致するところではありません。 ※11/07 シナリオ本文にて一部修正を行いました。