現代語訳 梅松論 〜南北朝時代の始まりの物語
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<この品物はハードカバーのものでしたが、品切れとなり、再版は行いません。これとは別に、ソフトカバーの新装版を提供していますので、よろしければそちらをお求めください。> 南北朝時代が始まった経緯が記されている軍記物語『梅松論』(ばいしょうろん)の現代語訳です。南北朝時代の軍記物語としては太平記が有名ですが、『梅松論』は太平記に比べて誇張が少なく、また、比較的短くて、読みやすい読み物です。梅松論は、太平記と並ぶ南北朝時代の基本文献のひとつです。 『梅松論』というタイトルは、「北野天満宮の境内で、梅の香りがただよい、松の風がそよぐ中で、僧が戦乱の経緯を語り始める」という、この物語の設定から来ています。この現代語訳では、関連する系図や史跡写真も適宜入れてあります。
『梅松論』の見どころ
『梅松論』は、足利方の軍勢に加わっていた人物が成立に関わったと考えられています。そのため、足利勢の軍議の様子や、足利方から見た迫真の合戦の描写などがあります。また、合戦以外のこまごまとした記述にも面白いところが多々あります。少しだけ例を挙げると、 ・ 後醍醐天皇が隠岐に流されたあと、そこから船で脱出する際に、船に積んだ「烏賊と云ふもの」の中に玉体を埋めて追手をやりすごした。(梅松論の作者は、イカの実物を知らなかったらしい。イカに埋もれた後醍醐天皇は、どんな気持ちだったか。) ・ 足利尊氏が九州から攻め上る途中、備前児島で、風呂を使ったり、名物の楊梅(ヤマモモ)を食べたりしてしばしくつろいだ。(南北朝時代の、地方の名物がわかる記述は珍しい。) このような細かい描写は歴史の解説書などではとりあげられることはほぼ無く、元の軍記物語を読まないとわからないことです。このような小ネタ的な記述も、楽しめるところだと思います。 (B6、上製本、154ページ。2025年1月に文学フリマ京都で頒布したものです。)