相対性精神学入門講義
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『相対性精神学入門講義』A6/278頁 ※本作品は東方名華祭19頒布作品(紙版)です。 ※本作品は東方projectおよびZUN's Music Collectionの二次創作です。実在の作品や人物、団体とは一切関係ありません。
存在しない学問の存在しない講義録
「小声で隣に坐っている人に「誰ですか、あれは」 と聞くと、ひとこと「レイテンシー」という返事がもどってきた。私は唖然とした。というのは、それまで私は、何となくあの有名な『燕石博物誌』の著者は老大家であると思いこんでいたからだった」(本文まえがきより) いまや後期科学世紀の思潮で中心的位置を占めるようになった相対性精神学。それは安易な相対主義や根拠薄弱な空論、具体性を欠いた無思想では決してない。「真実は主観の中にある」という主要テーゼの真意を哲学史との比較を通じて注意深く検討しながらも、バークリー、ヒューム、ベルクソン、西田、アンリとの格闘を経て、新しく真の主観性に基礎づけられた体系を確立する。内面性の危機がささやかれる時代精神のなかで、人間の「精神」の可能性を追求する相対性精神学、その全貌をとらえた一冊。
目次
まえがき 凡例 第一部 第一章 デカルトの方法論 デカルトの方法的懐疑/デカルト的主体と自由意志/プラトンからデカルトへ/アリストテレスからデカルトへ 第二章 デカルトへの批判 ラ・メトリの唯物論/スピノザの心身平行論/リベットの実験 第三章 認識の可能性の条件 ソシュールの記号学/カントの超越論哲学/独我論の論理/ドゥルーズの他者論/実存主義と主体の真理 第四章 観念論そして経験論 何を相対性精神学として認めるか/モリニュー問題/バークリーの観念論/ヒュームと主体の発生/カントからヒュームへ 第五章 純粋持続と純粋経験 ベルクソンの哲学/ベルクソンと純粋持続/唯物論的相対性精神学/西田幾多郎の哲学/西田幾多郎と方法的懐疑/西田幾多郎と純粋経験 第一部結論 第二部 第六章 現象学の根本概念 現象概念について/一人称パースペクティヴの意義/現象学的還元/現象学における地平の概念 第七章 現象学的地平批判 ベルクソン主義による神秘学の試み/メシアニズム無きメシア的なもの 第八章 生の現象学 Ⅰ 人間性の危機/アンリの西洋思想批判/〈生〉と呼ばれる次元/〈生〉の忘却/〈生〉の具体的在り方 第九章 生の現象学 Ⅱ 私・自我・自己/私は見ていると私に思われる/感覚・超越・表象/感情もしくは情感性 第十章 生の現象学 Ⅲ 〈生〉の深き底――アンリと西田/自覚と自己触発/自覚から場所へ/原―質料性としての絶対無の場所/西田の場所とアンリの場所 第二部結論 注釈 参考文献 あとがき