月の精霊が眠りを守る瓶 ― ラベンダーのモイストポプリ(550ml)―
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ラベンダーを摘む夜、 りゃんシーは月を見上げない。 見てしまうと、 ルㇱ・トゥムが来るからだ。 それでも、 指が花に触れた瞬間、 空気が一段、深く沈んだ。 音もなく、 影の重さだけが増える。 「今年も一個だけだぞ」 りゃんシーがそう言うと、 月の裏側で何かが息を止めた。 ルㇱ・トゥムは姿を見せない。 声もない。 ただ、 摘みすぎた枝を一本、 そっと戻す。 それが合図だ。 夜、塩とラベンダーを重ねるとき、 りゃんシーは数を数えない。 数えると、 精霊は途中で帰ってしまう。 瓶が満ちる少し手前で、 空気が「もういい」と言う。 「……相変わらず、ケチだな」 りゃんシーが笑うと、 ルㇱ・トゥムは月を一段、低くする。 それ以上は手伝わない。 だからこの瓶は、 増えない。 急げない。 頼まれても作れない。 棚に置くとき、 りゃんシーはラベルを貼らない。 月の精霊は、 名札を嫌うからだ。 翌朝、 瓶の中は静かだ。 香りも、眠りも、 余分なものだけが消えている。 りゃんシーは頷く。 「今年も、ちゃんと寝かせてくれたな」 返事はない。 月が、ほんの少し欠けただけだ。 裏国分寺では、 眠りをくれる精霊より、 眠りの邪魔を連れて行く精霊のほうが 信頼されている。 ルㇱ・トゥムは、 その代表だ。 そしてこの瓶は、 その証拠みたいなものだ。
月の精霊が眠りを守る瓶 ― ラベンダーのモイストポプリ(550ml)―
夜、月のそばには 眠りを見張る精霊がいます。 この瓶は、 ラベンダーと塩を重ねて仕込んだ 月のためのモイストポプリです。 香りは強く主張しません。 眠る前の部屋、 考えすぎた夜のそばに置いてください。 このラベンダーの瓶は、 一年に一度しか仕込めません。 精霊が長く居着かないためです。 裏国分寺では、 眠りは与えるものではなく、 邪魔を引き取るものだと考えられています。 これは、 月の精霊が静かに働くための瓶です。 商品情報 内容:ラベンダーのモイストポプリ 容量:550ml 原材料:ラベンダー、塩(※雑貨用途) 使用上の注意 ※観賞・香りを楽しむための雑貨です ※食用不可 ※直射日光・高温多湿を避けて保管してください ※天然素材のため色や香りに個体差があります

