小説 イタガリ
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【推薦文いただきました】 他者の痛みを自分自身の痛みとして感じてしまう一種の特異体質「イタガリ」。幼い頃からそのことに苦しんできた主人公。高校生になり、他にも「イタガリ」である仲間を知り、彼女たちとのかかわりの中で、その意味を問うていく。 ──私は問いかけに満ちた小説が好きです。テーマ性が強く、一気読みしました。特に、「吉永先生」の人物造形が優れていて、とても印象に残りました。(仁矢田美弥氏・小説家) ——イタガリ。 それは他者の痛みや死の苦痛を、自分が実際に感じ取る特殊な体質を指す語。 その塗炭の辛苦を呻吟し幼少期より泣いてばかりだった主人公、ユズキは運命に翻弄されながらも自らの人生を切り拓いてゆく。 時には涙し、時には仲間と分かち合いながら、ユズキは成長してゆく。 ユズキはある時気づく。イタガリは伝染るのだ、と。それも、イタガリの程度が薄まりながら。 そのことに気づいたユズキたちは、イタガリを拡散し、個々の負担を減らすべく奔走する。 イタガリは共感の体質だ、とユズキは断ずる。 どんな者の痛みも知ることのできる、慈愛と艱難に満ちた体質である、と。 しかし——他者の苦痛は己が身をもって味わわねば共感や理解ができないのであろうか? ユズキたちは『理由』を探し始める。自分たちがイタガリであることの理由を——たとい、答えが見つからなくとも。 第17回小説野性時代新人賞二次選考通過作品。 B6 2段組 174P














