「忘れていることを思い出すまで、この扉は開かない。」
そこは人の姿が消えた灰色の街。
記憶も曖昧なまま歩き続けた先で、一軒の不思議な店「コットンレイン」へ辿り着く。
店主を名乗る少女・レインは、客がここへ来た理由を知っているようで、決して答えを直接教えてはくれない。
白ウサギのミミと黒ウサギのムムが見守る中、客は自らの忘れた記憶と向き合い、閉ざされた扉を開く方法を探していく――。
記憶のない男が迷い込む第一話「コットンレインへ、いらっしゃい」と、赤い傘を持つ女を描いた第二話「赤い傘」を収録。
不思議な店を舞台に、客とレインが織り成す、静かで少し不穏な現代ファンタジー小説です。